☆ソラ☆
第7章

☆リセット☆

こうすることしかできなかった。
器用に自分の感情をコントロールできる術を私は持ってなかった。

連のあんな顔は見たことがなかった。
連にあんな顔をさせたくなかった。
あんな顔をさせるために付き合ったんじゃない。
まだ、連のことがすきで、連の温もりに触れたい。


どうして私は器用に好きな人を愛せないんだろう。

どうして連を心から信じられないんだろう。

連は私を大切にしてくれたのに…。


今、ここで涙を流すと楽になれるかな…。
この苦しみを流してくれるだろうか?

涙は次から次へと私の頬をつたっていった。
でも、どれだけ涙を流しても苦しみは流れてはくれなかった。
それを私はわかっていた。
でも、わからないフリをしていたかった。
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