☆ソラ☆
「まぁ…ね。」

そういや、遼と仲良くなったのはたまたま隣の席になったのがきっかけだった。
確かに遼はみんなに怖がられていた。
でも、遼が敵意を剥き出しにしていたのは教師やケンカをうってくる人たちだけだった。
それは、大倉君も同じだったと思う。

「みんな、菜緒のこと羨ましがってたんだよ。」

「へ?彩も??」

「いや。私は本当に2人が怖かったから何でみんなが羨ましがるのか全然わからなかった。」

彩は笑いながらそう言い、ポテトをつまんで口に入れた。

「でも、菜緒のそういうところいいと思うよ。見た目で判断しないっていうか、誰にでも同じように接するところ。私はそっちが羨ましく思う。」

今まで彩にこういう風に褒められたことがなかったので、私はきょとんとしたままだった。
それを見た彩は微笑み続けて言った。

「菜緒とは付き合い長いし、菜緒の性格はわかっているつもり。だから、菜緒の悪いところも良いところもいっぱい知っているよ。…上手く言えないんだけど…」

今日の買い物は彩が誘ってくれた。
このときに気づいていた。
彩は彩なりに私を心配してくれているのだと…。
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