☆ソラ☆
遼は戻ってくるなり、俺を楽しそうに見ながら言った。

「俺、連と最初話したとき、誰かに感じが似ていると思ったんだけど、今それがわかったわ。」

胸の中でドキドキしているのがわかる。
遼の次の言葉に反応しているんだ。

「お前、菜緒に似てんなっ!!」

やっぱり!!

その言葉を聞いて心臓が飛び出そうだった。
でも、遼に悟られないように「どこが?」と平然とした口調で答えた。

「いやぁ…、上手く言えねぇけど。俺って目つき悪ィだろ??喧嘩なんてしょうっちゅう買ってたしな。」

「…それで?」

俺は遼をチラッと見ると目を靴元に戻した。

「だから、怖がられていたんだよ。話してくる連中も怯えているか、敵意剥き出しかのどっちか。でも、菜緒も連も全然そんなのねぇし。はっきり言って、こいつ怖くねぇのかって思ったぐらい。」

「大輔がいたからだよ。俺は。」

俺は遼に笑って見せると、大輔が俺の肩に腕を置いて、

「俺のときもそうだったけど。」

とクックッと笑って言った。

俺は複雑だった。
遼は俺たちが似ていると言った。
大輔もそう思っているらしい。
でも、俺は菜緒の気持ちがわからなかった。

似ているのだろうか…?


月日は、そんな気持ちの中を流れていった。
その中で何回も遼と菜緒が楽しそうに話す光景を俺は見た。
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