☆ソラ☆

キィィ…

屋上のドアの開く音がしたので、顔を向けると葵が立っていた。

「まだいたんだ!靴が残っていたから、ここにいるかなぁって。一緒に帰ろう??」

葵は私にゆっくり近づきながら言ってきた。

「あ…うん。」

私は葵に気づかれないように涙を拭うと答えた。

「菜緒、何かあった??目が赤いよ。」

葵は私の手を握り、真剣な目を向けて聞いてきた。

やっぱり、葵を誤魔化すことはできないみたいだ。

「さっき、実は聞いちゃった。大倉君と菜緒が話している会話。私は口出ししないほうがいいかと思って、その場を去ったけど…まだ菜緒が残っていたから…ここかなって…。」

葵は気まずそうに私に言うと「ごめんね…。」と謝った。

私は首を横に振ると葵に聞いてみた。
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