見上げた空、願いを込めて



一歩、一歩と歩くたび、近づくその教室


それに比例するように心臓の音が、大きく、速く打つ



わかっている


俺らが別れたことぐらい



わかっている


いつものように、教室を小さく覗き込んで、彼女を見つけても



彼女はもう俺に笑顔を向けてくれるわけがないってことぐらい



わかっている



わかってはいたけれど






彼女を




瑠美の姿を一目で良いから見たかった


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