見上げた空、願いを込めて



「恭夜くん」


女の声が耳に入る



「………」


無言で声の聞こえてきた後ろを振り向けば、数人の女が立っていた


そしてその中の1人のおもむろに開かれた口からは


「ねぇねぇ、浦田さんと別れたってホント?」



聞きたくないその言葉



浦田さんと別れた…



悲しいけれど、顔には出さず



「ああ」


と、言えば輝き出す女の顔


人が悲しんでいるときに…と苛つくのを必死に押さえ込み、その女を見てみた


そして再び開いた口からは


「じゃぁさ、今日デートしよ?」



というデートの誘いだった




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