君へ届け
ガチャリとドアを開けると、蓮司が立っていた。


「?!」



これは夢だ。

あたしはドアを閉めた。すると。



「こらっ。何で閉めるんだよ、開けろ!」



怒られた。夢じゃないんだ。


恐る恐る開けると、めちゃめちゃ不機嫌そうな蓮司が


「ほら、回覧板!」と続けた。



何だ。

回覧板届けに来ただけ…。



がっかりしたのが顔に出たのか、蓮司が

「何だよ、違うもの期待したのかよ」


と聞いてきた。




あたしは、あっさり頷いてしまった。


慌てて蓮司を見るが、気を悪くした風でもない。良かった。





「しょうがねえな。これやるよ」






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