君へ届け


お会計のとき、健兄が俺の分まで払おうとした。



「ちょ、いいから。誘ったの俺だし」


「今日はおごってやるよ。
バイトで金あるから、君らよりリッチだしね。

妹のこと、大事にしてくれてるお礼」


「!大事って…」


「絵瑠が好きなんだろ?お前分かりやすすぎなの」




むっと黙りながら

疑問に感じてお会計を済ます健兄を見つめる。







何でこの人は、絵瑠を疎ましく思わないんだろう…。






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