君へ届け
でも、そんなことをゆっくり思い出してる余裕はなかった。
「お前、いじめられてんのか?」
慌てて首を振って否定する。
「じゃあ何で…。
つーか帰れないだろ、こんな靴じゃ。俺のじゃサイズ合わないよなぁ…。
予備持ってる奴もいなさそうだし。
ちょっと待ってろ」
蓮司はそう言い残し、どこかへ行ってしまった。
ちょっと待ってろって言われたって
どうしたらいいんだろう。
呆然と見送りながら立ち尽くしていると、
「何これ。汚」