君へ届け
怒りを抑えたような声に
大谷さんも山田さんも…あたしでさえ、ビクッと振り向いた。
「お前ら、絵瑠のこと何も分かってねぇくせに
俺盾にして何偉そうにほざいてるわけ?」
どんどん蓮司の声は冷静になっていく。
そうだ。
怒りを露わにするより、静かに怒る方が蓮司は怖い。
「これやったの、お前ら?」
「ちっ…違うし!うちらは田崎さんがムカついただけで、」
「……。絵瑠、行くぞ」
蓮司があたしの手を引いて、早足にどこかへ連れて行く。