君へ届け
どうしたの、蓮司?
こんな一言さえ口に出せないあたしは
やっぱり蓮司のお荷物なのかな…
蓮司が入った場所は理科室だった。
あたしを椅子に座らせ、何か考え込んでいる。
というよりは、さっきの怒りを必死に堪えているように見えた。
蓮司、どうしたんだろう……-
「どうもしねぇよ俺は。
どうかしたのは、お前の周囲の状況だろ?」
返された言葉に驚いて、蓮司を見上げる。
蓮司は、クスッと笑ってあたしの頭を撫でた。
「お前の言いたいことは、目を見てたら分かる。
何年の付き合いだと思ってんだよ」
そんなこと言うなんて思わなかった。
ここ数年、話すことも遊ぶことも全然なかったのに。