君へ届け
思わず立ち止まってから、激しく自分を罵倒した。
何で止まっちゃったの、あたしのばか!
だって、蓮司に名前で呼ばれて…無視、できない。
蓮司はあたしの前まで来ると
「前言撤回」と呟いた。
「時々、お前何考えてるか分かんねぇ」
え。
「分かるときは分かるのになぁ…。
ま、いいや。乗れよ」
急に蓮司はしゃがみこんだ。
「裸足じゃ帰れないだろ?」
蓮司はおんぶしてくれる気だ。
え。やだ。
いやいや、ちょっと待って。
「早くしろよ。
別に重いものなら持ち慣れてるし」
重いって。
ちょっとショックを受けながら、蓮司の背に恐る恐るしがみつく。