君へ届け


「…チーン?」


声に出して、その子が言いたかったであろう言葉を口にすると


彼女は満足そうに笑って頷いた。




横から健ニイが



「お前の名前、面白くていいってさ。
な、絵瑠」と笑うと


その子、絵瑠は満足そうに頷いた。




電子レンジの音を表現したのだと分かった俺は腹が立った。



人のこと電気製品扱いして…。


しかも、「チーン」ってどっちかと言うと
オーブントースターの音だ。





なのに、絵瑠の笑顔に

いつになく落ち着かない気分になっていた───…。










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