君へ届け



「大丈夫?」



ようやく抱きしめている細い体の震えが収まり、声をかけると



「大丈夫…。」


小さな返事が返ってきた。




綺麗な、絵瑠によく似合う

優しい声で。




「良かったな。お前、しゃべってる」

「うん…」

「何だよ。嬉しくねぇの?」

「違うけど…」





はぁ?

じゃあ何で、あんまり嬉しくなさそうなんだよ。














< 62 / 71 >

この作品をシェア

pagetop