君へ届け
「何でビミョーな顔してるわけ?」
苛々して尋ね、絵瑠の回答に余計頭にきた。
「蓮司にまた迷惑かけちゃったし…。
7年前、トイレに閉じ込められちゃった時と同じだから」
「マジでそう思ってんなら、俺キレるよ?」
そう返すと、絵留は目を丸くして俺を見つめた。
こいつ、分かってない!
「お前に関することなんか、俺にとっちゃ全然迷惑なんかじゃないのっ」
「でも、あたしが口聞けたらこんなことには、」
「あのなぁ…。
お前がしゃべれなくても、笑顔一つで俺は幸せだし落ち込んでると心配になるのに
しゃべれる今、それが倍増になるに決まってんだろ!?」
怒鳴ると、絵瑠の顔がサッと青ざめる。
絶対誤解してる顔だ。
あーもう、めんどくせえ。
「だから、全然迷惑じゃないって言ってるだろっ。
お前のこと好きなんだから!」