さよならは言わない~涙の離任式~【ショートストーリー】

ジャージのポケットに片手突っ込んで、胸を張って…


外見は怖いのに、口から出る言葉は優しさに満ち溢れている。



「能見、明日の朝いつもより15分早く学校に来なさい。よ~く反省してもらうから覚悟して来るようにな。」


喜多先生は、「プリクラだけだぞ」と言って、私達がプリクラを撮る間だけ、ゲーセンにいることを許してくれた。



本当は先生と撮りたかった。

最初で最後のチャンスだと思ったから。



でも、先生は絶対に断るよね…



プリクラを撮り終えた私と友達が見えなくなるまで

先生は見送ってくれた。




友達に自慢できる先生がいるってすごく幸せだと思った。



帰り道、友達に喜多先生のことを自慢げに話した。


友達は『最高じゃん!理解あるし、かっこいい!』と言ってくれた。


自分の彼氏を褒めてもらったような気分になり、私は嬉しくて仕方がなかった。



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