さよならは言わない~涙の離任式~【ショートストーリー】
高校なんて大嫌いだった。
勉強も、この制服も、
中学とは違うチャイムの音も…
何も楽しくなかった。
学校を休む癖がついた。
髪を染めた。
スカートの丈を短くした。
そんな私に、担任は距離を置いた。
……見捨てられたんだ。
そう思った。
そんな私の前に現れたのが
先生だった。
喜多先生………
学校で一番怖いと言われていた生徒指導の先生。
担任でもない、喜多先生が私を呼び止めた。