さよならは言わない~涙の離任式~【ショートストーリー】
先生の涙
翌日、コンビニでマンゴーの飴を買い占めた。
その店からマンゴーキャンディーが消えた。
先生に謝ろう。
そして、変わった私を見て欲しい。
この黒いカラスのような髪を見て、先生は笑ってくれるかな。
どんな顔で
何を言ってくれるだろう。
トントン…
この学校で一番重くできている生徒指導室の扉をノックした。
木の扉と違って、高い音がする。
「はい、どうぞ!」
中から聞こえた低い声。
私の大好きな喜多先生の朝の不機嫌な声。