さよならは言わない~涙の離任式~【ショートストーリー】
私の目には涙が溢れていた。
生徒指導室へ走った。
会いたい。
会いたい。
先生に会いたいよ。
お願いだから言って。
「嘘だよ」って笑って。
卒業までそばにいてくれるって
そう言ってよ…
先生がいたから今まで学校を辞めずに頑張れたんだよ。
先生に会えるから学校が嫌いじゃなくなったんだよ。
毎日笑えたのは、先生が私を支えてくれていたからだよ。
生徒指導室の前には
たくさんの生徒がいた。
噂を聞いた生徒が先生に会いに来ているんだとわかった。
いくら待っても喜多先生は現れず、会うことができなかった。