さよならは言わない~涙の離任式~【ショートストーリー】



体育館の扉が閉まった。




私は


誰の目も気にせずに走った。





体育館の扉を思いきり押して、外へ出た。





そこには、私が来ることを知っていたかのように


喜多先生がいた。




穏やかな表情で、優しく微笑んだまま


言った。





「何、泣いてんだ?」





喜多先生は持っていた花束で、私の頭をポンと叩いた。








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