さよならは言わない~涙の離任式~【ショートストーリー】
いつもより優しい顔をした喜多先生が
花束を持って学校から出て行く姿を私は一生忘れない。
自分の力ではどうすることもできない別れがあることを
私は初めて知った。
「またな!!」
喜多先生が振り向いて、手をおおきく振った。
「喜多先生、ありがとう!!またね!!」
さよならは言わない。
さよならじゃないから。
また会えるって信じてるから。
いつまでも
いつまでも
喜多先生は私の大事な先生だから…