さよならは言わない~涙の離任式~【ショートストーリー】
「こんなイイ男が独身なわけねーだろ。残念ながら、2人の子持ち。」
そうだよね…
目の前が真っ黒になったような気分。
だからって嫌いになることなんてできない。
きっと素敵なパパなんだろうな…なんて、より好きになっている私。
30歳過ぎてる先生が独身でいる可能性は少ないって
自分でもわかってたんだ。
話しながらどんどん惹かれていく自分に
どこかで誰かが囁いてた。
…好きになっちゃだめだ!!
ってね。
喜多先生の奥さんになれなくたって構わない。
喜多先生の彼女になれなくても、へっちゃらだもん。
だって、
私は喜多先生の『生徒』だもん。
先生が何よりも大事に思っているのは『生徒』…
だから、先生の生徒でいられるだけで私は満足なんだ。