文目剣術部【弐】

「どんなに曲がっても折れてもまた真っ直ぐ立ち直ろうと毎日を生きている」

華宮は薊を見た

「あなたは真正面から何でも受け止めようとした事はありますか?」

薊は目を丸くした

「自分より下がいる事が分かると優越感に陥ってそれが楽しくて仕方ないと思う人間が世の中には数えきれない程います…あなたもそのうちの1人」

風が吹いて華宮の長い髪が靡いた

「人を傷つけたら傷つけた人間は覚えてなくても傷つけられた人間は生涯ずっと心に傷を残したまま死んでも尚、忘れない…あなたには聞こえますか?風の音や木々の声が…聞こえますか?人々の声が」

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