文目剣術部【弐】
真っ直ぐ見てくる華宮の強い瞳から目が離せなくなる薊
「人は誰しも十人十色…全ての人間があなたと同じではないのですよ薊さん」
華宮は薊の手のひらに小さな花びらを乗せた
「あなたは可哀想な人」
華宮は悲しそうな表情で薊を見てから詠達の歩いて行った方へ歩いて行った
「…俺が寂しそう?俺が可哀想…だと?」
薊は手のひらに乗せられた小さな花びらを見た
一瞬自分が小さい子供のように思えた薊は「畜生!」と花びらを握りしめた
「俺は誰よりも強い!強くなきゃ…馬鹿にされるだけだ!俺は俺は…」
薊は花びらを握り締めた方の手で拳を作りバンッと昇降口のレンガの壁を殴った