文目剣術部【弐】

長水が1年男子のくるまっているシーツをはがそうと引っ張るが1年男子も頑固なのかシーツにしがみついてさっぱり出てこようとしない

最初は優しく話しかけながらシーツを引っ張っていたが時間だ経つにつれて「畜生!この野郎!出ろって言ってんだろがボケっ!」と普段の長水に戻っていく

「ひいぃ~っ!ごめんなさい!」

「ごめんって謝るなら母ちゃんは要らねんだよ!」

「警察だよ」と長水以外の剣道部員は全員同時に思った

「全く…とんでもない弱虫だなこいつ」

1年男子を負ぶったせいで染み付いたらしい血だらけのワイシャツの袖を捲りながら丁嵐は「あー…」とため息ついた






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