文目剣術部【弐】

「馬鹿!はっきりしゃべれ!蔭平が硬直しちまっただろ!?」

ボカッと1年男子の頭を叩いた長水

後ろでは「蔭平ー!蔭平ー!」と硬直したまま戻らない蔭平に詠達が一生懸命話しかけている

「すいません!僕今年から枳殻高校に入学した1年C組の《凪伊助(ナギイスケ)》って言いますーっ!」

長水の勢いに押された凪は部屋中に響き渡るくらいの声で叫んだ

「言えんなら最初から言えよ」

丁嵐も「はぁ」と呆れのようなため息をついた

「す、すいません」と凪はショボンと体育座りしたまま俯いた






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