文目剣術部【弐】


「お兄ちゃんまた来てくれる?」

「あぁ明日も来るから今日はもう寝ろ」

「うん…沙耶ね明日プリン食べたい」

「分かったから。ちゃんと明日部活終わったら持ってくる」

枳殻高校から近い病院のとある病棟で丁嵐は入院中の妹の見舞いに来ていた

時間は夜11時

京都に越して来たのも本当は実の妹《沙耶(サヤ)》の病気を治すためだった

父親と母親はともに医者であり今は県外の病院で働いているため丁嵐はほとんど無駄に広い家で1人暮らしのような状態で暮らしていた



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