文目剣術部【弐】
「沙耶お兄ちゃん大好き後ね剣道してるお兄ちゃんも大好き」
「プリン約束だよ」と言って丁嵐の手を握りながら眠りについた妹の頭をそっとなでて丁嵐は病室を静かに出た
薄暗い廊下を歩いて病院を出た丁嵐は手のひらを見た
さっきまで小さな手で握ってくれていた沙耶の温かさが今だに残っている
「剣道してるお兄ちゃんも大好き…か」
丁嵐は呟いてから夜空を見上げた
昼間あれだけ雨が降っていたのに今は綺麗に晴れて満天の星達が夜空を彩っている