あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
『霧島っ! 話がある。ちょっと来い』

部活中に、担任である田中先生の声が響いた

コートの中で、3ON3をしていた霧島君がボールを持ったまま足を止めた

「何ですか?」と汗をTシャツの袖で拭きながら、手に持っているボールを床に落としてコートを出てくる

「園崎も話がある。一緒に来なさい」

田中先生の視線が私に向く

「私も?」

「そうだ。二人に話があるんだ」

霧島君が三崎さんからハンドタオルを受け取ると、汗を拭きながら近づいてくる

「外で話そう」と先生が、体育館を出ていく

私と霧島君は、首を傾げ合いながら先生の後についていった

「小耳に挟んだのだが、霧島が園崎をバスケ部に引きこんだらしいな」

体育館を出た踊り廊下で、田中先生がじろりと霧島君を睨む

「マネが居なかったんで」

霧島君がぺこっと頭を降って、先生の言葉に返事をした

引きこんだ…って、まるで無理やり入れたみたいな言い方をしないで

私がやりたいって思ったから…やっているだけなのに
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