あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
「なんで園崎なんだ」

「きちんと仕事をやってくれると思ったから」

「園崎はT大合格圏内にいるってわかってて、頼んだのか?」

「最初は知らなかった。わかってすぐに話をした。園崎は、両立すると言ってくれたからそのままマネを頼んだ」

「『頼んだ』じゃないだろ! 園崎はこの学校の期待がかかっているんだ。そこをわかっているのか?」

「わかってる。けど、園崎が頑張ると言ったんだ。現に頑張ってるだろ? 成績だって落ちてないみたいだし、いいじゃん。別に」

霧島君が落ちてくる汗をタオルで拭く

「園崎、霧島に無理にやれって言われたんだろ? 断れなかったんだろ?」

先生の視線が私に向く

「いえ…私が自分で、マネージャをやりたいと」

霧島君のせいにしないで

私がやりたいの

どうして…私の自由を奪おうとするの?

やめてよ

「園崎! 先生は成績を心配しているんだ。今回はたまたま下がらなかったが…これからが追い込みなんだ。部活なんてしていたら…」

「でも私…」

霧島君の近くで見ていたいの

邪魔して欲しくない

だから頑張ってるのに…どうして、わかってくれないの?
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