あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
「やりたいよ…でも…」

私は小声で呟くと、その場に蹲った

無理

私にはできない

霧島君が先生に責められながら、マネを続けるなんてできないよ

試験のたびに、先生に簡単なミスを責められるのにも耐えられない

「無理に続けろとは言わねえけど、無理して辞める必要もねえと俺は思う。園崎の人生を左右するのは、園崎自身だろ? 教師が勝手に決めることじゃねえよ」

霧島君が中腰になると、私の頭をポンポンと軽く叩いてくれた

「ありがと。でも、辞めるって言っちゃったから」

「そっか。わかった。勉強、頑張れよ」

霧島君の手がスッと、私から離れた

また……前と同じに戻っちゃうのかな?

遠くから見ているだけの存在になっちゃうのかな

霧島君に近づけたと思ったのに、ほんの一瞬の夢だったみたい

今度こそ、霧島君に飽きられたかも

マネと勉強の両立を頑張るって言ったのに、さっさと根をあげちゃった私に…霧島君はもう声をかけてくれない、よね

失恋、確定かな
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