エゴイスト・マージ
告白の余波
「ふーん」
「って、それだけ?」
「他に何て言えばお気に召すんだ?」
何、その面倒臭そうな言い方
「だって皆がいる前で告られたのよ」
「ほう」
4時限目の前にいきなりやって来て
「『好きだ。俺と付き合って
返事はちゃんと待つから』って大声で」
クラスの皆から好奇の目で
見られるわ冷かされるわで
全く授業なんて耳に入ってこなかった
「へーやるなー裄埜」
先生が声にこそ出さないまでも
少し笑ってる姿を見て
愕然としてしまう
「今時告白ってメールでするってのに、
わざわざ出向いて告るってよっぽど」
なんで……なんでそんな風に笑ってるの?
ひとしきり笑った後
「宣戦布告に来たんだぜ、裄埜のヤツ」
え……?
「……先生は何て言ったの?」
「俺が告れって言った」
「信じられない」
未だ私の気持ち気がついてないの?
全てゲームだと思ってる?
それとも
単にどうでもいい存在だから
……自分で言って傷つく
「俺とか相手にしないで裄埜みたいな
フツーのヤツと
まともな恋愛とやらをしろよ」
それが先生の本心なんだ
「…………」
「月島?」
「先生なんて……」
私はそこに居たくなくって
先生の顔を声を聞きたくなくって
教室を飛び出した
フツーって何?
まともって何?
何言ってるのか意味分んない
先生に何て言ったら伝わるの?
どうすれば先生は私を見てくれるの?
慣れてないから上手くできないけど
アタシなりに先生に言葉で態度で
この気持ちを表してたつもり
だけど
私なんか眼中にすら入ってないの?
初めて痛いくらい好きになった人が
全く振り向いてはくれないって
こんなに苦しいものなの?
『先生なんて大キライ!』
そんな啖呵も切れないくらい
どうしようもない程
好きな気持ち止めれなかったら
どうしたらいいの?
負の感情しか持たない先生を
変える術を私は知らない
……それとも私だから無理って……コト?
そう思うと悲しさが加速する
苦しい……先生
それから私は化学教室には行かなくなった
行ける筈がない
先生を見るだけで泣きそうになるのに
化学の授業を受ける時も
片耳にイヤフォンを入れて
名前も曲も知らない音楽を
顔を上げること無く聞いてた
そうでもしないと
あの声を聞くだけで
溢れる感情を止めれそうになかったから
「こんな所で何してる」
校庭が見える踊り場でぼんやり外を見てると
不意に声を掛けられた
それはとても聞きなれた声で
私しか知らない口調で
「最近、静かになったお陰で本がよく読める」
きっと誰も周りに誰もいないんだろうと
思いながらも私は振り向かなかった
「って、それだけ?」
「他に何て言えばお気に召すんだ?」
何、その面倒臭そうな言い方
「だって皆がいる前で告られたのよ」
「ほう」
4時限目の前にいきなりやって来て
「『好きだ。俺と付き合って
返事はちゃんと待つから』って大声で」
クラスの皆から好奇の目で
見られるわ冷かされるわで
全く授業なんて耳に入ってこなかった
「へーやるなー裄埜」
先生が声にこそ出さないまでも
少し笑ってる姿を見て
愕然としてしまう
「今時告白ってメールでするってのに、
わざわざ出向いて告るってよっぽど」
なんで……なんでそんな風に笑ってるの?
ひとしきり笑った後
「宣戦布告に来たんだぜ、裄埜のヤツ」
え……?
「……先生は何て言ったの?」
「俺が告れって言った」
「信じられない」
未だ私の気持ち気がついてないの?
全てゲームだと思ってる?
それとも
単にどうでもいい存在だから
……自分で言って傷つく
「俺とか相手にしないで裄埜みたいな
フツーのヤツと
まともな恋愛とやらをしろよ」
それが先生の本心なんだ
「…………」
「月島?」
「先生なんて……」
私はそこに居たくなくって
先生の顔を声を聞きたくなくって
教室を飛び出した
フツーって何?
まともって何?
何言ってるのか意味分んない
先生に何て言ったら伝わるの?
どうすれば先生は私を見てくれるの?
慣れてないから上手くできないけど
アタシなりに先生に言葉で態度で
この気持ちを表してたつもり
だけど
私なんか眼中にすら入ってないの?
初めて痛いくらい好きになった人が
全く振り向いてはくれないって
こんなに苦しいものなの?
『先生なんて大キライ!』
そんな啖呵も切れないくらい
どうしようもない程
好きな気持ち止めれなかったら
どうしたらいいの?
負の感情しか持たない先生を
変える術を私は知らない
……それとも私だから無理って……コト?
そう思うと悲しさが加速する
苦しい……先生
それから私は化学教室には行かなくなった
行ける筈がない
先生を見るだけで泣きそうになるのに
化学の授業を受ける時も
片耳にイヤフォンを入れて
名前も曲も知らない音楽を
顔を上げること無く聞いてた
そうでもしないと
あの声を聞くだけで
溢れる感情を止めれそうになかったから
「こんな所で何してる」
校庭が見える踊り場でぼんやり外を見てると
不意に声を掛けられた
それはとても聞きなれた声で
私しか知らない口調で
「最近、静かになったお陰で本がよく読める」
きっと誰も周りに誰もいないんだろうと
思いながらも私は振り向かなかった