クズレタ果実【完】
【第壱章】 …種蒔き…



3LDKの、この街で一番の高級マンション。

20階建ての高層で、最上階。

この街を独占した気になる、窓から広がる景色に、最初は圧巻した。

男に貢がせたお金で、親友が手に入れた、私たちのオアシス。



「じゃあ、後はよろしく」



「うん。いってらっしゃい」



親友、五条倫子ーゴジョウリンコーは去年、施設を飛び出して来た。

彼女と私は、親を捨て、捨てられの共通点があった。
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