クズレタ果実【完】
「倫子?どうしたの倫子」



通話口から聴こえる雨音に、私は耳から携帯を離した。

ーープーップーッ

でも、耳に当て直すと、通話が切れており、繋け直しても、発信音の後、すぐにアナウンスに変わり、繋がらない。



「五条さん、何かあった?」



「出ない…」



サユが私を心配そうに見て来るも、私は倫子が気掛かりで仕方ない。



「ごめん、行って来る…っ!」



「「苺華――ッ!!」」



私は教室を飛び出した。
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