クズレタ果実【完】
「……り、んこ……」



でも、人々の間から見えた見覚えのある倫子の服に、私は傘を落とした。



「倫子……倫子っ!」



駆け寄り、頭から血を流し、顔にも大怪我を負った倫子に名前を叫ぶ。

…何で、こんな事…。



「救急車…っ…救急車を呼んでよ……っ」



…ごめん…。

ごめんね、倫子…。

私から連絡をしてれば、こんな事にならなかったかも知れない。
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