クズレタ果実【完】
「コーヒーしかないけど」



「ありがとう」



「ありがとうございます」



父親と居た時は、あり得なかった市販のコーヒーをグラスに注ぎ、出してくれた梨華。

自分の分も取りに行き、小さなテーブルを3人で囲むと変な気分。

梨華とまた会えるなんて、想像もしてなかったから。



「どう?ここでの暮らし」



「快適だよ。人の顔色を見たり、見られたりしないから」



垢抜けたでは、追い付けない変わりよう。
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