クズレタ果実【完】
「でも、やっとわかった。みんなを私が産みの親みたいに血の気が濃いと思って、腫れ物に触れるように優しくしつつ、馬鹿じゃないように勉強させてたんだなって」



「学力は、梨華の実力だよ」



「違うよ。私は悪知恵が無駄にあってさ、カンニングばっかして、バレないようにだけ頭を使ってた。人並みにしか、知識はないの」



梨華は「だから逃げたの」と、付け足し、また口を開く。
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