クズレタ果実【完】
「彼氏って、“桃哉君”の弟さんよね?」



「え……?知ってるの?」



「連絡をくれたわ。彼にも、苺華の彼氏さんにも、申し訳なく思ってたの。桃哉君は昔馴染みで、お父さんが甘えに甘えて。情けないわ…」



落ち込む母親だが、外に待たせてはいけないと、自らが冴嶌を呼びに行った。

冴嶌に気遣いながら、お茶を淹れた母親は、冴嶌に深く頭を下げた。
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