クズレタ果実【完】
自宅横の桃哉さんのお宅前で降り、呼び鈴を押すと、冴嶌とちょっと似た人が出て来た。



「…桃哉さん家だよね?」



「桃吾ートウゴー。すぐ上の兄貴」



「久々、桃真!お前が金髪ガールを連れてんのよ」



「日本人だけどな」



…本当に、お兄さん?

似てるんだけど、何か冴嶌より年下に見える。



「ねぇ、本当にお兄さんなの?」



堪らず、玄関で冴嶌の腕を掴んで訊ねると、奥歯で笑いを堪え始めた。
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