クズレタ果実【完】
「桃吾君は、同級生に美容整形のお医者さんが居てね、シワやシミの除去をしたの。後でよく見たら良いわ。シワの後がわかるよ」



「お義姉さん、言わなくても」



「あら、事実よ?でも、30歳で老け顔も嫌よね」



「……;;」



ナナさんは1枚の写真を持ち出した。

そこには有名な大学院で、卒業の記念撮影だとわかる。

銀縁の眼鏡で、ボサボサ頭。

シミというか、そばかすが目立ってて。

“いくつだと思う?”と訊かれたら、“30後半”という。
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