クズレタ果実【完】
「思ってる事、言ってみ?」



立ち上がった冴嶌は、抱き締めてくれた。

だけど、先を求めてしまってる私には、これじゃあ足りない。



「…何で…」



「うん」



「…キスしてくれないの?抱いてくれないの…?」



「……」



私の問い掛けに、今度は冴嶌が黙ってしまった。

色気があったとしても、冴嶌は私に魅力を感じてないのかも知れない。

私の目からは、涙が流れた。
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