クズレタ果実【完】
得意ぶった私に、桃真は不服そうな顔をしたけど、倫子は嬉しそうに私にもお礼を言う。



「冴嶌さ、苺が崩れてたらどうする?」



「苺牛乳にするな」



「何で苺はミキサーにかけられなきゃいけないのさ!!」



食感もへったくれもない桃真を、私は口を尖らせながら睨む。

苺だってスライスして、スポンジケーキに挟んだりすれば良い。

潰されるなんて、苺が可哀想とか思わない?
< 253 / 320 >

この作品をシェア

pagetop