クズレタ果実【完】
眼鏡君との席は遠く、話す事もない為、教室は静まり返った。

冴嶌を無視して帰ろうとも思ったけど、あいつがどう出て来るかわからない。

今日だけは、大人しく従っとくべきかも知れない。



「待たせた。佐久間ーサクマーは今から、準備室に教科書を取りに行ってくれ。教頭か学年主任が手伝ってくれるから」



「はい。行って来ます」



どうして素直に従えるのか。

ガリ勉君だけに、大学への推薦文で褒めて欲しいとか?
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