クズレタ果実【完】



「――もう!どうしていつも遅刻するの?」



「お前が早いんだろ。待ち合わせは9時。ピッタリなんですけど?」



「……え、そう?」



県大の看護学部4年。

私は22歳、桃真は31歳になった。

これから長い長い卒業前、最後の実習に入る私。

1ヶ月は会えないだろうと、バイトを休んで1日デートをする事になった今日。

私は20分も早く来てしまった。
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