クズレタ果実【完】
私は受験勉強、桃真は私たち受け持ち生徒の進路相談に勤しみ、簡単に会えなくなった。

今思えば、たった40分の距離を惜しまなければ良かった。

でも、会いたくて電話した受験日の前夜、桃真は来てくれた。

そんな事、今は絶対にしてくれないと思う。

桃真が車を指差した為、私は助手席へ慣れなのか、いつものように乗り込む。

…この席は、いつまで私の居場所であり続けるかな。
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