クズレタ果実【完】



部屋を出て、エントランスに行くと、今の彼氏のマコトが居た。

飲食店チェーンを展開する年商2億の会社社長の息子。

21歳の大学生にしながら、ベンツを乗り回して、デートにはいつもブランド物のプレゼントをくれる。

どうやら今日は、香水みたい。



「ありがとう」



お礼は私からのキス。

満足気に笑うマコトから目を逸らして舌打ち。

浸けなきゃいけない。

浸けたら、アクセサリーとは違って売れない。
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