1本の向日葵を君に…

「うーん」


「誰?男?男男男男男嫌―――嫌」



「向日葵俺だ」



「嫌こないで」



「俺だよ向日葵」



「嫌だ…」



「向日葵大丈夫だ拓斗だよ」


ギュー



「拓にい?拓にいなの?拓にい久しぶり…」



「久しぶり向日葵」



「可愛くなったな」



「拓にいだってかっこよくなってるよ…」


「おっと診察させて」



「えっ!?」



「俺向日葵の担当医」



「えー!!本当に医者になったの?」


「あぁじゃあ捲るな」



「嫌っ」



「おいおい恥ずかしがるなよ」


「違うの」


ブンブン首をふってこたえた


恥ずかしいのなら慣れた。

でもお腹と背中は拓にいには見られたくない…



「じゃあなんで?」


「お願い見ないで」


拓にいには嫌われたくない、好きでいてなんて我が儘いわないから、嫌いにだけはならないで欲しいから


「大丈夫なにも思わない」



「本当に?」



「あぁ大丈夫だ」



「わかった」

拓斗は、誤魔化すように、聴診器をあてた

「っっ!!喘息の音軽く聴こえるから絶対安静な」


「うん…」


あぁ嫌われた…
そしたら自然に涙がでてきた…

話したくなくて布団にくるまってたら

「バカ向日葵喘息でるだろ。きにしてねえよ」


「本当に?きにしてない?」



「あぁ」



「ありがとうニコ」



好きな相手にさえ、作り笑いしかできなかった…





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