Welcome to the world
ふむ、と頷く鈴。
「それにはどんな危険が伴うか分からない。その覚悟はあるのだね。」
いつもの無機質な声。しかし、どこか冷たく、突き放す様な言い方だった。おずおずと頷く文化部の二人。
「分かった。では、扉を見に行こう。扉に合った鍵を見つけなければ。」
諦めた様に言葉を吐き出す鈴。やった、と呟き喜ぶ二人。
だが僕は見逃さなかった。後々忘れられなくなる、鈴の顔を。

二人が頷いた瞬間、彼女は確かに

涙を流した。


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