Welcome to the world
最上階には、扉の付いた部屋が一つだけあった。中は大分狭そうだ。おそらく、これが管理人室だろう。しかし、あまり使用した形跡がない。という事は……。
僕の考察を肯定する言葉が、部長の口から零れた。
「ここが管理人室です。この管理人室の扉が、別世界に繋がっていると、言われています。」
部長の言葉に背を押された様に、鈴が一歩前に踏み出した。そして、慎重に扉を調べ始める。しばらくして、彼女はにこりと微笑んだ。
「間違いない。これは別世界に繋がっている。」
そして、文化部の二人に向き直ると言った。
「私は、この扉の鍵を持っている。21万で売ろう。」
理不尽な値段だ。しかし、僕の今までの経験上、諦める人は一人も居なかった。まあ、妥当な値段なのだろう。
今回も例に違わず、副部長は持っていたバッグから、分厚い札束を取り出した。
「21万丁度です。」
鈴はそれを受け取ると、自分が提げていた、コンパクトなバッグに収めた。そして、バッグから出て来た手には、小さな鍵が握られていた。
「これが、その扉の鍵だ。受け取りたまえ。」
二人が嬉々として鍵を受け取るのを確認すると、鈴は二人に背を向けた。後は僕の役目だ。
「以上で、僕らの仕事は終わりです。今後、あなた方の身に何が起ころうとも、僕らは一切の責任を負いません。ご了承願います。」
「では、今後とも、どの世界に行っても、『扉屋』をよろしくお願いします。」
そして、二人に背を向けて、僕らは歩き出した。
僕の考察を肯定する言葉が、部長の口から零れた。
「ここが管理人室です。この管理人室の扉が、別世界に繋がっていると、言われています。」
部長の言葉に背を押された様に、鈴が一歩前に踏み出した。そして、慎重に扉を調べ始める。しばらくして、彼女はにこりと微笑んだ。
「間違いない。これは別世界に繋がっている。」
そして、文化部の二人に向き直ると言った。
「私は、この扉の鍵を持っている。21万で売ろう。」
理不尽な値段だ。しかし、僕の今までの経験上、諦める人は一人も居なかった。まあ、妥当な値段なのだろう。
今回も例に違わず、副部長は持っていたバッグから、分厚い札束を取り出した。
「21万丁度です。」
鈴はそれを受け取ると、自分が提げていた、コンパクトなバッグに収めた。そして、バッグから出て来た手には、小さな鍵が握られていた。
「これが、その扉の鍵だ。受け取りたまえ。」
二人が嬉々として鍵を受け取るのを確認すると、鈴は二人に背を向けた。後は僕の役目だ。
「以上で、僕らの仕事は終わりです。今後、あなた方の身に何が起ころうとも、僕らは一切の責任を負いません。ご了承願います。」
「では、今後とも、どの世界に行っても、『扉屋』をよろしくお願いします。」
そして、二人に背を向けて、僕らは歩き出した。