Welcome to the world
「……クン、安立クン!」
鈴の呼び掛けで、ふと我に返る。すっかり過去の感傷に浸ってしまった。
「はい、すみません。何でしょうか?」
僕が返事をすると、彼女は言った。
「冷蔵庫の中を見てくれたまえ。」
言われて、台所にある小型の冷蔵庫を開く。昼食用の食材と飲み物が、静かに陳列している。特に変わった事はないはずだが。すると鈴は言い放った。

「チョコレートのストックが切れている。買って来てくれ。」

堕天使の微笑みと共に。
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